読み物

みんなと逆から考えたら、
ヤバいカレーができたので、
「新カレー理論」と名付けちゃいました。

ベストアメニティグループ代表 内田弘さん / シズる商店・番頭の鳥羽周作

新カレー理論_パッケージ
新カレー理論_内容

みんな大好き、カレーライス。
世のカレーは、どんどんマニアックに
ディープになっていっているから、
一度シンプルな本質に立ち返ってみました。

それは、カレーとライスが調和し、
お互いを高めあっていること。

カレーづくりのパートナーに選んだのは、
雑穀米という概念の生みの親、
ベストアメニティの内田弘さん。

鳥羽周作が内田さんの雑穀米に惚れ込み、
あまりのおいしさから、
この雑穀米に合うカレーを作ろうという、
世のカレーライスとは逆転の発想から生まれたのが、
「新カレー理論」です。

ベストアメニティグループ代表_内田弘さん

内田弘さん

ベストアメニティグループ代表。1957 年大分県生まれ。大手生命保険会社勤務を経て、1990 年ベストアメニティ株式会社を設立。1994 年大地の恵みである雑穀に注目し『雑穀米』を考案。以後、全国の契約農家 1500 軒以上と契約し、「おいしい健康」をテーマに、生産者と協力し安全・安心な商品を全国の顧客に提供している。雑穀のよさを最大に引き出すブレンダーとしても活躍中。

新鮮な雑穀って、なんだ!?

今回はどのような経緯で
コラボレーションに至ったのですか?

鳥羽

「もともと僕が雑穀好きで
『うまいヤツがあるよ』と教えてもらったのが
ベストアメニティの雑穀米でした。
最初に食べたときに衝撃を受けました。
『こんなに味が違うのか!』って。
内田さん、直球でお聞きしますが、
なぜあんなにおいしいのですか?」

どうしておいしいの?

「どうしておいしいの?」

内田

「真っ先に言ってくださるのが
『おいしい』という言葉なのが、
うれしいです。
雑穀も、野菜や魚と同じで
なによりも重要なのは、
実は鮮度なのです。
雑穀は乾燥していても、
生きています。
雑穀は、炊飯する前に
水に漬け込んだ時点で
活動を始めます。
それを発芽というのですが、
この発芽した雑穀というのは、
非常に力強いものです」

鳥羽

「雑穀の新鮮さについては、
考えたことがありませんでした」

内田

「日本人はお米については、
新米、古米、古古米などの意識があり、
新米のおいしさをよく知っています。
しかしそれ以外の豆や
雑穀の新鮮さについては無頓着です。
シェフのように、
味覚の鋭い方は、
おいしい雑穀を食べると、
その違いにビビッドに反応されます」

ベストアメニティグループ_雑穀米

「めちゃくちゃ味に透明感があるんですよね」

内田

「低温管理と湿度管理が肝心です。
それを徹底するために、
うちでは全国の契約農家さんから
仕入れたものをはじめとして、
国内産のものを扱っています」

“雑穀米を食べるためのカレー”
という逆転の発想!?

そのおいしい雑穀に刺激を受けて、
この「新カレー理論」が生まれたのですね。

鳥羽

「おいしい上に、
からだによくてストレスがない。
こんな素晴らしい雑穀を
最大に活かすカレーを作ろうと思いました。
カレーがブームになってずいぶん経ちますが、
多くの場合そのこだわりはルーに向けられてきました。
それに比べて、一緒に食べるライスへのこだわりって
案外見落とされてきたんじゃない?というのが
僕の発見でした。
一般的にはカレーを作り込み、
そのカレーに合う米を探すものなので、
まったく逆からの発想です。
ゆえに『新カレー理論』というわけです」

ロジックそのものが違う。

鳥羽

「ええ、朝から食べられる、
コクがありつつもサラッとした
旨味が強すぎない、自然な感じの、
からだに優しいカレーです。
小麦粉を使わないことで重くならず、
スパイスをしっかり効かせることで、
塩味もギリギリまで減らせます」

新カレー理論_内容2
内田

「私は年齢的に、
酒を飲むとちょっと
血圧が気になることも。
そんなときは、翌朝に
カレーライスを食べるようにしています。
私の場合は、体調が悪い時もカレー。
スパイスが体調を整えてくれます」

鳥羽

「丸の内の店『o/sio』では、以前、期間限定で
朝から食べられるカレーライスを出していて、
『ととのえるカレー』と名付けていました。
今回は、その発展型だと言えます」

どのような雑穀が入っているのですか?

内田

「配合は秘密ですが、
麦、押麦、もち麦、発芽玄米、黄大豆、
黒大豆、もちきび、もち赤米、小豆、
発芽もち玄米、焙煎もち玄米、ハトムギ、
手芒豆、なた豆、紫花豆…などなど、
32種類入っています」

鳥羽

「しかもヤバいことに、
試作のやりとりをさせていただくと
カレーに合うと一言で言っても、
配合によって全然味が違うんです。
甘め、とか、さっぱりしている、とか
粘り気の強さ、とか。
本当に奥が深い」

内田

「シェフからの希望で、粘りを抑えて、
サラッとしたカレーの水分を
適度に吸収する配合にしています。
カレーを邪魔せず、それでいて負けない。
この配合には自信があります」

ブレンドの腕に覚えあり

「ブレンドの腕に覚えあり」

鳥羽

「本当にうまいんだよなぁ。
このカレーを食べれば、
内田さんのヤバさが伝わると思います。
衝撃的ですよ」

内田

「合わせる食材が変われば、
当然、配合も変わります。
例えば、魚や漬物であれば、
もう少し粘りを強めた方が合うとか。
シェフと一緒に
“おいしい卵かけごはん”なんて
開発してみたいですね」

鳥羽

「超いいですね、やりたい、それ!」

家庭のカレーを底上げする

日本人にとって、
カレーって特別なメニューです。
シェフもYouTubeチャンネルで
お父様との思い出の
キーマカレーを紹介されていました。

鳥羽

「うちの親父が作る
キーマカレーはおいしくて、
僕はあれで育ったんですよ」

内田

「私も子どもの頃は、
カレーライスと言えば
給料日前でお金がないときに
母親が作ってくれるものでした。
小麦粉がいっぱい使ってあって、
玉ねぎとじゃがいもと
人参がたっぷり入って、
うまくて安くておなかいっぱいになる。
しかし今やカレーは
こだわりの店で食べる
高級なものになりました。
それももちろんおいしいのですが、
家庭のカレーも
もっとブラッシュアップされて
いつでもおいしく食べられればいいのに、
と思っていました。
今回の『新カレー理論』は
まさにそれにピッタリのカレー。
最高です。
シェフにお礼を言いたいです(笑)」

鳥羽

「いやいや、
これは内田さんの雑穀米から
インスピレーションをいただいたものなので。
僕自身、毎日食べたいと
思うようなものができてうれしいです。
しかもこのカレー、
ひじきを煮たのとか、黒豆とか
おばんざいをのっけて食べてもうまい」

うわ、それおいしそう!
カレーもカロリー抑えめですし、
雑穀と一緒に食べることで
食物繊維がたっぷり摂れる。
とってもヘルシーですよね!

鳥羽

「からだにいいものを作るという
発想はなかったのに
悩める現代人に
ピッタリのカレーになってしまった(笑)」

隙のないカレー、できちゃいましたね

「隙のないカレー、できちゃいましたね」

内田

「しかも老若男女が食べられる味です」

鳥羽

「うちの子ども、大好きですよ。
スパイスもきちんと効かせていますが、
辛すぎたりトゲトゲしくならないよう
こちらも最適な配合を探しました。
そしてなにより
合わせた雑穀米の魅力が大きい。
味はもちろん
雑穀の食感が楽しいらしいです。
プチプチしたり、柔らかかったり、
噛みごたえがあったり。
次々にいろんな食感が出てくるから、
食べ飽きない」

食のAppleを作りたい

最後に、食の世界がこうなったらいいなという
お二人のビジョンを聞かせてください。

内田

「これだけ情報が溢れ、
賢い方もたくさんいるのに、
世の中の食についての知識は
なかなか上がってこない気がしています。
例えばネギはシベリアが原産で、
−40℃で一度凍ってもまた生き返る、
すごいエネルギーを持った野菜です。
だから、冬に地鶏とネギを
たっぷり入れた鍋を食べれば、
風邪をひかず元気に過ごすことができる。
こういうシンプルな知識を
多くの人が持つようになれば、
社会はちょっと豊かになると思うんです。
そうした社会の実現のために、
少しでもお手伝いができれば最高ですね」

ベストアメニティ株式会社で使用している、元気な粟(あわ)

「ベストアメニティ株式会社で使用している、元気な粟(あわ)」

鳥羽

「やるしかないですね!
僕は『食のAppleを5年以内に作る』
と公言しています。
iPhoneが僕たちの生活を変えたように、
みんなの食べているものの
基準値を上げるような
“食のプラットフォーム”を作りたい。
ふだん食べるものが、
特別なものでなくても
おいしくてからだにいいものなら、
生活の質はグッと上がる。
まさに米なんて、
僕たちの食の一番のベースであり、
生きるためのインフラと言ってもいい。
そう考えると、
米はインフラと言ってもいいものだから、の
サブスクリプションサービスみたいなものがあってもうれしいですね」

内田

「あぁ、それはいいですね。
今月のブレンド、なんて考えるのもよさそうです」

鳥羽

「どんどんアイデアが出てきてヤバいですね。
これからもぜひご一緒させてください!」

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新カレー理論

スパイスカレーと雑穀米が高め合う「新カレー理論」

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くわしく