読み物

マットな質感で、食洗機にも使える

漆琳堂さんとつくった
盛り付けたくなる
「余白の美しい漆器」のお話

漆琳堂8代目 内田徹さん / シズる商店 番頭 鳥羽周作

漆琳堂8代目 内田徹さん/ シズる商店 番頭 鳥羽周作

漆器ってちょっと敷居が高いイメージありません?

たしかに漆は高価だし、お手入れも必要だったり、
日常食器として使うにはちょっと面倒だったり。

でも、そんなことないんです!

創業約230年、
越前漆器の老舗「漆琳堂」さんは
伝統の技術と革新的なアイデアで、
漆器を現代のライフスタイルにマッチするよう
日々、アップデートをし続けています。

そんな漆琳堂さんと、シズる商店が
とっても素敵な漆器を作っちゃいました。

伝統的であり、新しい。
美しくもあり、実用的。

シズる商店・番頭の鳥羽周作が
「これは漆のスタンダードになる」
と確信する、 マットな質感の漆器。

漆琳堂8代目の内田徹さんに
鳥羽がお話を伺いました。

内田徹さん

うちだ・とおる

1976年福井県生まれ。大学卒業後に家業である創業227年の塗師屋、漆琳堂に入社。 10年余り祖父・父から漆器製造の下地・塗りを習い、 産地最年少で越前漆器伝統工芸士に認定される。 2019年、漆琳堂の代表となり、以来、8代目として代々受け継ぐ道具と技術を守りつつ、漆のさらなる可能性を探るべく、革新的な取り組みも同時進行している。

漆琳堂さんのHPはこちらから

“マット漆(うるし)”という、ヤバいい器

今回、シズる商店としては初めて
「器」を出すことになったわけですが、
なぜ、漆琳堂さんとご一緒することに?

鳥羽

やっぱり“マット漆”ですね。
漆琳堂さんは昔ながらの漆器をつくる一方、
カラフルなシリーズや
艶を抑えたマットな漆器も手掛けています。
で、この“マット漆”がやばいんです。
最初に見たときは「なんだこれは!」と。
こんな漆器は見たことなかったし、
めちゃくちゃセンスがいいなと思って。

“マット漆(うるし)”という、ヤバいい器

Tsutomu Ogino(TOMART:PhotoWorks)

内田

ありがとうございます。
鳥羽さんのような目利きの方に、
認めてもらえると素直にうれしいです。

鳥羽

しかも、これ食洗機にも使えちゃう。
漆器で、それってめちゃくちゃ新しい。
僕が漆琳堂さんに惚れこんでいるのは
(2秒ほどタメをつくって)
……そこなんですよ!

タメるほどの力説、ありがとうございます。
ちなみにもう少し詳しく解説を(笑)。

鳥羽

守りの姿勢だけでは伝統は紡げない。
だから新しいことにもチャレンジしている。
漆琳堂さんのこの姿勢って
ものすごく本質的だし、
僕らが目指しているところとも共通してる。
マットな漆も、絶妙に新しいんです。
ただ斬新ってだけじゃなく、
伝統を感じさせるんだけど、
今までにはない質感とスタイルを
しっかり提示してくれている。

内田

伝統的に漆器は艷やかなものがスタンダード。
でも、現代の明るい照明環境では、
艷やかすぎると感じる方もいらっしゃる。
そこで艶を抑えて、独特のマットな風合いを
出すことを思いついたんですよね。


鳥羽

すっごいセンスいいと思いません?
僕、これを知ってから、
いろんなところで漆琳堂さんの
“マット漆”がかっこよすぎるって
言いまわってるんです。

内田

ありがたい限りです(笑)

鳥羽

僕は“マット漆”って
ネクストスタンダードになると思っていて。
漆器は和食のイメージが強いけど、
この質感なら和洋関係なく、
様々な料理に使用できる。
漆器は100年使えるって言われますけど、
ホント、これはこれからの100年の
スタンダードになりうる器だと
本気で思ってます。

内田

そうなってほしいですね。
ただ、技術的に難しいところもあって
職人視点でいうと、
“マット漆”は塗り方も難しく
乾かし方も一筋縄ではいかない。
我々の専売特許でもなんでもないんですが、
職人さんはあまりやりたがらないんです。
そもそも漆は原価が高いので、
塗りの行程での失敗は
経営上のリスクでしかない。
そのリスクは、どこも取りたがらないのかなと。

鳥羽

そのリスクを取れる技術の高さ、
そしてフロンティアスピリッツが
漆琳堂さんのすごさなんだよなぁ。
リスクの先にある本質をつかみにいき、
それでかっこいいものをつくる。
こんなヤバい塗師さんがいることを
もっと多くの方に知ってもらいたいです。
今回のコラボは、
それが目的のひとつでもあります。

意識したのは器の「余白」

この“マット漆”シリーズをベースに
シズる商店✕漆琳堂さんのコラボで
完成したのが今回のオリジナル漆器です。
特にこだわった部分はどこですか?

鳥羽

黒色のマットな質感で
食洗機に使える…が前提で、
それに和洋どちらも使えて、
家庭で使う上でも汎用性の高い。
要は、なんにでも使える
万能型の器にすることにこだわりました。

内田

どんな形にするかの議論では
鳥羽さんたちから学ぶことも多くて。
我々は和食の料理人さんと
器をつくることはあっても
洋食のシェフとつくることは
今までになく、
「あ、そんなところを見ているのか」
という部分が多々あったんですよね。

たとえばどんなところですか?

内田

一番は「余白」の概念ですね。
漆器の世界では、
特にお椀を使う場合、
余白という考え方はなく、
料理は「埋め尽くされる」が一般的です。
でも、今回は
余白を大事にしたいということで、
それであればこの大きさ、
深さになるのではと、
議論を進めて、この形に至りました。

鳥羽

僕らは余白をすごく大切にしています。
盛り付けするときに
お料理に対して、器がどれくらいか、
その余白をどれくらい残すか、
そのバランスがとても大事。
たとえばこの器に、
シンプルな白いリゾットを
中央に少し置くだけで、
ものすごくきれいになります。


こんな料理出てきたら、
スマホのカメラを起動しちゃいますね。

鳥羽

料理人からすると、
これ、めちゃくちゃ
盛り付けたくなる器なんですよ。
漆器なのに余白を楽しみたくなる。
そうだな…たとえばだし巻きたまご。
真ん中にちょんと二切れだけ置くと、
それだけでめちゃくちゃかっこいい。


卵焼きなのに、すっごく意味ありげ!

鳥羽

取皿として使ってもおもしろいかな。
筑前煮を1種類ずつ、
さといも、鶏肉、人参……
取り分けるだけでも様になる。
マグロの刺し身なんかも、
赤身と器の黒のコントラストで
素敵になるんじゃないでしょうか。
そうそう、余白に対して盛り付ける感覚
つかむと料理はもっと楽しくなると思います。

料理の意識を変えてくれる器ですね。

鳥羽

そうなると思いますよ。
実際、道具ひとつで意識は変わります。
気づきがあり、
そこに対してアプローチする。
そこでまた新しい学びがある。
その繰り返しで、
自宅のお料理も
レベルアップしていく。
この器は、料理に対する
意識変革のきっかけにもなるし、
漆器入門としても
うってつけだと思います。

漆琳堂さんのHPはこちらから

この記事の商品

シェフと職人がつくった漆器

伝統の技術に、新しい視点が加わり、いくつもの常識を変えるお皿ができました。
漆といえば椀などの和食器ですが、これは、「余白」を大切にする洋食器の考え方でできています。
そして、漆なのに、マットな質感。
この仕上がり、シンプルに見えて、「塗り」に高い技術が必要なのです。
福井県河和田で、伝統と革新をつなぐ漆器づくりを営む 漆琳堂さんとのコラボだからこそできた逸品。
どんなメニューでも、驚くほど盛りつけが上品にまとまります。
食洗機でも洗えるので、漆器がはじめての人にも扱いやすい。
料理を楽しむ人が、料理をもっと好きになれる一皿です。
あなたはこのお皿に、どんな毎日を乗せますか?

くわしく